定義

PMSは、黄体期（排卵後から月経開始までの期間）に起こる心身の不調で、原因は完全には解明されていませんが、女性ホルモンの変動と自律神経・神経伝達物質の影響が大きいとされています。

主な症状
PMSは非常に多彩な症状を持ち、心と体の両面に現れます。

身体的症状
頭痛、腰痛、下腹部痛、乳房の張りや痛み、むくみ、肌荒れ、眠気、倦怠感、便秘や下痢、食欲増加など。

精神的症状
イライラ、不安感、集中力低下、抑うつ気分、涙もろくなる、攻撃的になる、感情の起伏が激しくなるなど。

特に仕事や人間関係に影響を与える精神的症状は、本人だけでなく周囲の人にも負担となることがあります。

1.ホルモンバランスの変動

排卵後、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が変化します。この急激な変化が脳内の神経伝達物質（セロトニンやドーパミン）にも影響を与え、情緒不安定や睡眠障害などを引き起こします。

2.自律神経の乱れ
ストレスや生活リズムの乱れは自律神経を不安定にし、PMS症状を悪化させます。

3.血流不足と冷え
骨盤内の血流が滞ると、ホルモンや栄養の循環が妨げられ、症状が強くなります。

4.栄養不足や偏った食生活
特にビタミンB群、カルシウム、マグネシウム、鉄分などの不足はホルモン代謝に影響します。

5.生活習慣やストレス
睡眠不足、運動不足、精神的ストレスは症状を悪化させる要因になります。

東洋医学から見たPMS
東洋医学では、PMSは「気・血・水」のバランスの乱れや、肝・脾・腎といった臓腑の機能低下と関連していると考えます。

気滞（きたい）型
気の巡りが悪くなり、イライラや胸の張り、ため息が多くなる。

瘀血（おけつ）型
血の流れが滞り、頭痛や下腹部痛、経血に塊が混じる。

肝鬱（かんうつ）型
ストレスにより肝の働きが低下し、情緒不安や抑うつ感が強まる。

腎虚（じんきょ）型
体力低下や冷えが強く、むくみや倦怠感が目立つ。

鍼灸ではこれらのタイプを見極め、個別にツボを選び、気血の巡りを整えていきます。

1.ホルモンバランスを整える
鍼刺激は自律神経を調整し、脳下垂体や卵巣の働きをサポートすることで、ホルモン分泌のリズムを整えます。

2.血流改善
骨盤内や全身の血流を促し、栄養や酸素の供給を高めます。これにより冷えやむくみも改善します。

3.自律神経の安定化
副交感神経優位の状態をつくり、心身をリラックスさせます。

4.痛みや緊張の緩和
肩こりや腰痛、頭痛などの身体的症状も同時にケアできます。

1.丁寧なカウンセリング
症状が出る時期や内容、生活習慣、ストレス状況などを細かく伺い、体質を分析します。

2.脈診・舌診・腹診による体質判断
東洋医学的視点から、気血水や臓腑のバランスを確認します。

3.個別のツボ選択
代表的なツボ：
三陰交（さんいんこう）…女性ホルモン全般の調整
太衝（たいしょう）…イライラやストレス緩和
気海（きかい）…元気の補充
百会（ひゃくえ）…精神安定
内関（ないかん）…自律神経調整、胃腸症状の改善

4.お灸で温めるケア
下腹部や腰を温め、冷えと血流不足を改善します。

5.骨盤調整との併用
骨盤や背骨の歪みを整えることで、子宮や卵巣への血流をスムーズにします。

施術の頻度と期間

改善目的：週1回〜2週に1回

メンテナンス：月1回、PMS症状が出る前のタイミングで施術

3〜4か月程度で「症状が軽くなった」「気持ちの落ち込みが減った」と感じる方が多いです。

実際の改善例

40代女性／会社員

症状：生理前のイライラ、頭痛、むくみ、睡眠の質低下。家族や職場で感情的になることが増え、自己嫌悪。

施術：週1回の鍼灸＋お灸＋骨盤調整を4か月間

結果：2か月目で感情の波が穏やかに。頭痛の頻度も減少。4か月後にはむくみや不眠も改善し、家族関係も良好に。

自宅でできるPMSセルフケア

睡眠リズムを整える

カフェイン・アルコールを控える

ウォーキングやストレッチで血流促進

腹部・腰部を冷やさない

ビタミンB6、マグネシウム、カルシウムを意識的に摂取

まとめ

PMSは「仕方ないもの」と思われがちですが、ホルモンや自律神経、血流を整えることで軽減できます。

鍼灸は薬に頼らず自然な方法で心と体を整え、毎月のつらさを和らげます。

若松整体院若林区院では、PMSで悩む女性一人ひとりに合わせたオーダーメイドの施術で、快適な日常生活をサポートしています。

まずはお気軽にご相談ください。