2-1.定義と発症背景

更年期障害とは、女性ホルモン（エストロゲン）の量が急激に減少することで起こる心身の不調です。医学的には「閉経前後10年間」を更年期と位置付け、個人差はあるものの40代半ば〜50代前後にかけて症状が出やすくなります。

2-2.主な症状

更年期障害の症状は多彩で、以下のように分類されます。

(a)身体的症状

のぼせ／ほてり（ホットフラッシュ）

急に顔や上半身が熱くなる。

冷え

特に手足や下半身に感じられることが多い。

発汗

夜間に強く汗をかく、寝汗が続く。

めまい・頭痛

血流や自律神経の変調によって起こる

動悸・息切れ

不安やストレスと密接。

関節痛・肩こり・腰痛

ホルモン低下に伴う筋骨格系の負担。

疲れやすい・倦怠感

体力の消耗を伴う。

(b)精神的症状

情緒不安定（イライラ・泣きたくなる・怒りっぽさ

不安感・焦燥感・抑うつ傾向

集中力や記憶力の低下

不眠や睡眠の質の低下

2-3.なぜ更年期に不調が起きるのか

エストロゲンの低下により、自律神経のバランスが崩れ、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行えなくなります。また、血流の悪化や気血の巡りの停滞により、身体からのサインが強く表れやすくなります。

3-1.西洋医学での対処法

一般的にはホルモン補充療法（HRT）や漢方、抗うつ薬などが選択されます。ただし、副作用や体質によって使いづらい場合もあり、継続性に不安を抱く方も少なくありません。

3-2.鍼灸のアプローチの強み

自律神経を自然に調整し、心身を安定化させる

血流・気の巡りを改善→冷えやほてりの緩和

副作用が少なく、薬に頼らない自然なケア

心理面への穏やかな働きかけ（リラックス効果）

東洋医学では、更年期の不調は「気・血・水」のバランスの乱れや「臓腑（じょうふ）」の衰えとして捉えられます。

4-1.主なタイプと症状

東洋医学的タイプ

特徴・主な症状

肝腎陰虚（かんじんいんきょ）

のぼせ・ほてり・手足のしびれ・めまい・ドライ症状

心脾両虚（しんぴりょうきょ）

不安・疲労・不眠・動悸・食欲低下

血瘀（けつお）

月経異常・のぼせ・肩こり・頭痛などの滞り

水滞（すいたい）

むくみ・体重増加・重だるさ・関節痛

鍼灸ではこれらタイプを見極め、それぞれに対応したツボでバランス回復を目指します。

5-1.自律神経の調整

鍼刺激は交感・副交感神経のバランスを整え、心地よいリズムを再構築。

5-2.血流と気の巡り改善

下半身や骨盤内の血流が良くなり、冷え・のぼせに働きかける。

5-3.心身の緊張緩和

肩こりや腰の緊張を和らげ、心の不安を解きほぐす効果も。

5-4.ホルモン分泌のサポート

脳や内分泌系への働きかけにより、自律的なホルモン調整を促進。

若松整体院若林区院の施術アプローチ

6-1.カウンセリング・体質診断

生活背景、症状の傾向、ストレス状況などを丁寧に伺い、脈診・舌診・腹診で体質を見極めます。

6-2.ツボのセレクトと施術

代表的なツボとその効用：

太衝（たいしょう）：イライラ・ストレス緩和

三陰交（さんいんこう）：ホルモンバランス調整、冷え改善

腎兪（じんゆ）：腎の働きサポート、疲労回復

心兪（しんゆ）：心神安定、不安緩和

血海（けっかい）：血流改善、のぼせ緩和

神門（しんもん）：精神安定、睡眠促進

6-3.温熱療法との併用

お灸や温かなパッドなどによる温熱刺激を加え、効果を高めます。

6-4.整体との連携

骨盤や背骨の歪みも気血や内臓機能に影響するため、整体による姿勢調整も行います。

施術のペースと流れ

フェーズ

頻度

目標

スタート期間

週1〜2回

自律神経調整・症状の鎮痛

調整・改善期間

2〜3週に1回

症状の緩和や体質の安定化

メンテナンス期

月1回程度

再発予防・生活の質を持続

実際の改善例

50代女性・事務職

症状：更年期によるぎらぎらしたのぼせ・冷えと倦怠感の交互・イライラ・不眠。

施術内容：週1回の鍼灸＋お灸＋整体を3か月継続。

経過

1か月目：ほてりの頻度が減り、睡眠の質改善を実感。

2か月目：冷えや頻尿が減少し、疲れにくくなる。

3か月目：感情の起伏が穏やかになり、「前みたいにイライラしない」と変化を実感。

ご自宅でできるセルフケア

下半身や骨盤まわりを温める（靴下や腹巻、温かい飲み物など）

軽いウォーキングやストレッチで血流促進

夜はスマホを控え、間接照明で目を労わる

バランスの良い食事（大豆製品・鉄分・ビタミンEなどを意識）

リラックス法（深呼吸・アロマ・ぬるめ入浴）

まとめ

更年期障害は、心身に同時に現れる多彩な症状により、日常生活に大きなストレスを与えます。一方で、「薬はちょっと…」と感じる方も多く、副作用の少ない治療を求めるケースも増えています。

鍼灸は、更年期障害を「自然に整える」選択肢として、非常に有効なアプローチです。

若松整体院若林区院では、一人ひとりの症状と体質に寄り添った鍼灸＋整体のオーダーメイド施術で、更年期のつらさに真摯に向き合い、快適な毎日への回復をサポートいたします。